広島・福山・豊島の旅

 先日、私吉成と、森口の両名で、広島から福山、香川県豊島を巡るたびに出てきました。

 「差別・被差別を超える人権教育」を書かれた、原田彰先生にお会いするためです。

 「差別・被差別を超える人権教育」は、板野中学校で取り組まれた全体学習の授業記録をもとに、差別・被差別を超えた仲間づくりはいかにして為されていったのかを分析的に記した研究書です。

 私たちも、この一冊から、あの時の取り組みを俯瞰的に考察することができました。そんな原田先生には感謝するばかりです。

 写真の通り、顔の色つやも良く、まだまだお元気そうな様子でした。これからも様々な面からご示唆いただけることを楽しみにしています。

 原田先生との短時間の面会のあと向かったのは、福山市にある、「八ツ塚実資料館」。といっても、八ツ塚先生のご自宅を資料館にしているので、公には知られていない穴場です。

 駐車場の2階・3階には、「倉庫」でもあるかのように、所狭しと数々の教材・教具が並べられていました。これはもう、凄まじいとしか言いようがありません。

 数々の記録。生徒が書いた記録。

 動物の骨格標本や、マンモスの歯の化石、鯨の脊椎骨。

 本物の「圧倒的な力」に出会わせることの大切さ。

 玩具を玩具としてだけ見るのではなく、その奥にある凄さを感じとらせる工夫。

 壁に掛けられた、訴えかける言葉、親へのメッセージ、私たち教師へのメッセージ。

 そして、学級づくりを進めていくうえで、指導者として肝に銘じておかなければならない、表現力、企画力、演出力。

 言われて、「確かに」と頷いてしまいます。確かに知らず知らずのうちに、腐心し、注力してきたことでした。

 子どもの目を、心を釘付けにしてしまう、本物教材の提示。そのプレゼン力。常に自分に問い続けてきたことでした。また、惹きつけられる子どもたちのまなざしに、こちらも本気になったものでした。

 

 数多くのスクラップブック。

 そこには、平和学習、ヒロシマ、原爆に関するもの、隣県の渋染一揆に関するもの、また漫画に見る人権についてまで、ジャンルを問わず、子どもたちの身近にある人権についても資料化されていました。

 そして、「アッと笑い、ドッと笑い」に象徴される、いじめ問題について深く考察していた跡も。

 スクラップブックには他にも、食肉に関することなど、本当に教材の宝庫でした。

 なかでも私が惹きつけられたのは、「『たった一人で』でもやれるか」のページ。これは本当に大切。差別問題、人権問題を考えるとき、私が何度も行き着いた問いでした。いじめ問題だってそうです。仲間は大切で、必要で、仲間をつくる力は大切ですが、どこかで、「たった一人でもやる」覚悟がないと、本当の仲間はつくれないように感じてきました。その覚悟について考えることはすごく大事なことです。

 他にも、「君は何を宝物にしますか」という問いかけも、深く考えさせたい授業です。

 福山をあとにして向かった先は、宇野港から船に乗った先、小豆島の西にある小さな島。豊島。

 かつて、産業廃棄物不法投棄事件で全国的に話題になった島です。

 昨年1年間、何度も訪れ、取材をし、小説「光跡 #ボクらの島」に描いた島です。民泊植松にお邪魔するのは今回で2回目。ずっと話を聞かせていただいている石井さんとは、初めて一献できる機会となりました。

 本当は料理の画像をあげたかったのですが、気がつけば食べちゃってました。wwww

 けど、本当に美味しい手作り料理でした。お店で食べるのでなく、ホテルで飲むのでもない、気が許せる家で「家呑み」でもしているかのような、ゴロンと横にでもなってしまいそうな宴でした。

 翌朝、山からの鳥の鳴き声で、気分良く目覚めました。

 朝から美味しい食事をいただき、(またしても写真撮るの忘れた)そのあとは、「豊島自然の家」の見学をさせていただきました。もとは小学校だったものを、宿泊できるように再生したのだそうです。

 炊事場に、大きな和室、二段ベッドに、野外BBQ。

 その昔はどこの学校にでもあった、宿泊訓練や、一泊研修。新型コロナの影響で修学旅行すら短縮されたり、なくなったり。野外炊飯やキャンプファイヤー。そんなことが、いつかここに来てできたらなーと、思います。差別や人権、自分たちのことについて、じっくり語り合えたらなーと、思います。

 いつかみなさん、どうですか???

 こんな旅をしてきました。

 そしてつくづく思うのは、人と会うことの大切さ。新型コロナの影響で、本当にこの2年、外の人と、見知らぬ人と、出会い話す機会を失いました。

 今回のような機会があって、あっ、そういやこんな感覚だった!と思い出します。そして、人と出会い、話すことの大切さにあらためて気づかされます。当たり前だと思っていたことは当たり前ではなく、すごく貴重な場だったことに気づかされます。

 リスタートできる日も近いかもしれません。そのときはみなさん、、、よろしく。

2022年06月12日