これでいいのか、豊島・瀬戸芸
11月15・16日(土日)と、香川県豊島に行ってきました。この夏に人権こども塾の一泊研修で訪れたところです。といっても、これまで何度もお邪魔し、多くのことを学ばせてもらったところですから、懐かしい気持ちになれる場所です。
今回は、一泊研修でお世話になる予定だった石井さんの体調をうかがう旅でもありましたが、着いてまずは昼食に「食堂101号室」へ。
これがまた、古民家を改装した、いい雰囲気の食堂なんです。どうです?いいでしょ。
ランチも良くて、旅行者向けの料金ですから少し高めですが、身体が洗われるような料理です。
昼からどうする?と相談して、今回の瀬戸芸でちょっとした話題になっている作品を観に行くことにしました。それが、こちら。
なんとも、どう表現すればいいのか。まったく同じ子どもの像が大量に。そして胸と背中に数字。よくよく聞いてみると、背中の数字は世界のある国の緯度と経度。胸の数字は、その国までの距離。向いているのはその国の方向。つまり、子どもの数は世界中の国と地域である197体。そして作者は、台湾出身。
何とも意味深い作品に関心はしたものの、このまま夕方になり夜になれば、どんな様になるのか。。。安全面はどうなのか。。。近隣住民の方々はどんな思いで受け入れたのか。。。
どうやらひと悶着あったようです。そもそも瀬戸芸は、少子過疎化している瀬戸の島々に人を呼び込もうと企画されたイベントですが、どうやら島の人々への対処や安全性、同意などの点が不十分なままに強引に押し進められているようです。
今回の瀬戸芸期間、約100日間で島に訪れた観光客は、約14万人。ということは単純計で、毎日平均1400人が訪れたことになります。豊島は700人にも満たない小さな島。そこに船で毎日1400人が来ればどうなるでしょう。
なかには事故を起こす不届きものもいるようですが、それに的確に対応できる行政的支援はありません。それだけたくさんの人が来ればお金をたくさん落としてくれるだろうと思うと、実のところそうでもなく、主催者がほとんどすべてを吸い上げていく始末。つまり島の人々にすれば、確かに人がたくさん来るようになって賑わいは取り戻したように見えるけど、実のところ不都合なことばかりが残されているとも。
それが、華々しく大成功のように見える瀬戸芸の実態。これなら、あらゆる無責任を押し込めようとした豊島産廃事件と構造的にはまったく同じです。権力を握っている国や県、資本家が自分に都合のいいようにふるまい、住民に不都合を押しつける。そして利益を吸い取る。ちっとも対等な関係ではありません。
そんなことまで分かって観光客は来ればいいのですが、「うわー、すごーい」だけで呑気に立ち去っていく人がほとんど。どこまで人間は愚かしくなったのか。。。この子どもたちに罪はないのですがね。。。
翌日朝、あらためて豊島事件について、石井さんからお話を聞きました。何度聞いてもいい。本当に勉強になる。豊島事件を通じて、他の様々な社会の問題、差別や人権の問題、戦争の問題とつながります。受験勉強のみに取り縋ることの愚かさを感じます。本当に大切に学ぶべきことは何なのかを考えます。私が、私たちが向かう方向性について考えます。
以前島にはなかった自販機。徳島にはない自販機。無印良品の自販機。ついつい珍しく眺めてしまいました。きっとそんな調子で利用されていくのでしょう。島には店がほとんどないから、便利といえば便利です。でも、ここでもまた売り上げは中央に吸い上げられていきます。
地元島民が正当に意見が述べられ、対等な関係で尊重され守られ、そしてあらゆる資源がちゃんと還元される社会システムを、自分事として考えていきたいと思います。
ちなみに石井さん、体調も戻ってきたとのこと。ホッ、です。無理しすぎないように長生きしてください。
ちなみに、今回も本を1冊入手しました。
海はきれいに見えるのに、魚や貝などの生物は激減したと言います。魚が獲れなくなったとも。それは吉野川でも聞く話です。いったいどういうことか。透明度の高い透き通った海は、逆に言えば、プランクトンなどの小さな水生生物が棲めなくなったということ。だから魚も育たないし、増えない。減る一方。いったいどうしてそうなってしまったのか。このままでいいのか。それが本当にきれい海と言えるのか。勉強してみます。今の日本のあり様を。

