鳴門市人権地域フォーラム2024

8月16日(金)、今年も鳴門市人権地域フォーラムが開催されました。

場所は、今春新しく建設された鳴門市役所2階大会議室です。

会場は100人の席を用意していたのですが、みるみるうちに席は埋まっていきました。新庁舎ということや、交通の利便性の良さもあったかと思いますが、次から次へと新しい席が追加されていきます。

満席状態のなか、フォーラムは幕を開けます。。。

パネリストである、T-over人権教育研究所クルーの中野伸二さんからお話が始まります。

やはり、家族です。今、家族がどうなのか。自身両親との関係性はどうであったのか。父として、子として、溢れる思いをこらえながら語っていきます。

つづいて、同じくクルーである柳本歩さんからのお話です。

自分の歩んできた生き様として、今の我が子に何をどう伝えればいいのか。夫婦としてどう手を携えて歩んでいるのか。企業人として雇用主として、どう経営をしていくべきか。

いろんな角度からのお話に広がりを感じました。

私からは、強制不妊訴訟、旧優生保護法のこと。若い先生方の情報の得方について。

いくら無理強いして勉強させても学力は上がらない。どうして人権学習してきた子の成績が上がるのか。「やる気スイッチ」は、「みんなで語り合う人権学習」のなかにこそあるというお話をさせていただきました。

コーディネーター森口からも、人権こども塾での活動が報告されます。

その活動内容に、会場の参会者は興味と驚きで目を見張ります。

クルーであるタクヤさんが、人権こども塾に参加しての思い、我が子への思い、家族への感謝を語ります。

小豆島から参加したという中学生は、対話力の必要性を説きます。しかしそこには、自らの認めたくない差別性と向き合うことの難しさ、それでも前を向いて頑張っていきたいという思いが語られます。

県内高校生は、起立性調節障がいで不登校だったこと。人権に取り組むようになってコミュニケーション力がついたこと。夢があるから頑張ってこられたことを、元気いっぱいに語ります。

頭髪が生えないことへのコンプレックス。幼いころからのいじめ。

それを覆してくれたのが人権学習だった。違う場所、広い世界を見ることの大切さと必要性を教えてくれたのが人権学習だと語ります。

お母さんがパーキンソン病であることで、教員を辞め、バスの運転手に転身したという松江市の方。右手に障がいはあるが、それでも理科の授業にこだわって研究をしてきた。人とかかわることの喜び、つながることの喜びが、学力向上につながっているのではと語られました。

命との出会いと別れについて語られた、小豆島からおいでた元教員の方。

「こんな島はイヤ!」との思いで県外に飛び出した先であったものは、島差別。何かというと「島」であることで特別視されてきた悔しい思い。そのときあらためて感じたことが、故郷への思い、家族への思い、「島」への思い。涙をこらえて語りきる姿が、本当に本当に美しかったし、素敵でした。

「その涙は何ですか?センセイ輝いてますか?」

この言葉に背中を押され、自分を励ましながら、行きつ戻りつしながらここまで歩いてきた。そしてこれからも、自分の中の自分と向き合いながら歩き続けていきたい。

無理して闘わなくていい。闘うことは大切だし大事だけど、闘わなくちゃいけないことなんてない。

まず自分をしっかり守ってほしい。逃げ場所を作ってあげてほしい。それは別にココじゃなくても海外でもいい。広い目で見られる力をつけてほしい。

シンジさんのご両親と、おばあちゃんです。ご高齢にもかかわらず、遠いところ来ていただけました。本当にありがたいことです。

幸せとはいったい何か。いろんな幸せがあっていいのですが、いろんな幸せを知ってから考え、決めてもいいのではないかと思います。

私の願う幸せとは、こんなところにあるのではないかと思います。それを教えてくれたのは、同和教育でした。そんな大切なことを教えてくれた私は、先生なんかではありません。やはり学習者です。

そして、この方々こそが、先生です。同和教育に出会えてよかったと、心から思えます。

会場の片隅に置いた、人権こども塾カンパ箱。じっくり見ていただける方、手に取ってみていただける方、様々でした。ありがとうございました。

13040円ものカンパをいただきました。本当に本当にありがとうございました。

子どもたちには極力負担をかけたくない思いで、ほぼ無償で活動しています。とはいえ、かかるお金はかかります。でも財源はありません。あくまでも自主的な運転資金とボランティアで賄っています。

皆さんの思いが、次代の子どもたちを育てていきます。人権文化を育てていきます。

皆さんからの思いはていねいに、大切に活用させていただきます。これからも人権こども塾の活動を関心をもって見ていてください。そしてこの種が、ココだけでなく、いろんな場所で花咲く日を願っています。本当にありがとうございました。