鳴門市人権地域フォーラム2023

8月23日(水)、2023年度の鳴門市人権地域フォーラムが、なるちゃんホールで開催されました。

昨年度までの限定的な開催から、今年度は全面開催。

会場は用意していた席がなくなるくらい盛況となりました。

鳴門市教育委員会教育長からのごあいさつを皮切りに、スタートしていきます。

まずはコーディネーターの森口代表から、板野中学校の全体学習から、現勤務校松茂中学校の取組。

そして、一昨年度に徳島新聞に掲載された、八万中学校での人権学習の記事。

昨年度、人権を語り合う中学生交流集会+'23で登壇したシンジさんについて書かれた「鳴潮」。

その一連の流れについて、一人目である私、吉成が紹介されます。

かつて同和教育主事として、立場の学習にかかわってきた人間として、生徒たちのその後をずっと考えてきたこと。結婚時などの差別の現実を聞くにつけ、自分だけ逃れるわけにはいかないと思い続けてきたこと。しかし法が切れ、現実には若い教員が増え、部落差別が「今」のこととして捉えられなくなってきていることへの危機感。それが動機となって、八万中学校での二学年合同の人権学習になり、既知の記者が取材に来てくれたということ。それが、昨年度の中学生集会につながったということ。「当たり前に、普通に堂々としていればいい」と言ってきたが、果たしてそうなっているか。

そんな話につづけて、二人目であるシンジさんが紹介されます。

昨年度の中学生集会のいきさつについて、娘への後押しとして小学校へ、学級担任へ、校長先生へと申し入れたこと。その後の教職員研修会のこと。部落差別は意図しなくてもSNSで知ってしまう現代社会。そんななかでも周りの子に気配りができる子に育ってほしいという親心。PTA活動で「人権」というワードがなくなるかもしれない危機感。部落問題学習が追いやられる風潮。そして、PTA活動としての次のステップへ。。。

圧巻は、娘二人をステージに誘ったこと。「自分が見ている景色を見せておきたい」、それは子獅子を見つめる親獅子。親が子を思う思いは、かくも尊いものかと思わせられました。

そして最後に、これまで数十年にわたりフォーラムなどの記録を起こしてきた佐伯さんです。

毎回、講演会の記録づくりに3カ月を要すること。49歳からパソコンの扱いを習得して今があること。それは単なる作業ではなく、中学生の本気と出会うことによる、自己解放に他ならない。かつて、職場での仲間外しを経験し、同和教育から仲間づくりの重要性を学び、悔しいこともうれしいこともあったけど、出会ってよかったと思ってもらえる看護師に近づいていきたい。一生懸命頑張っている自分がいるだけでいい。死ぬまで発展途上。

残り時間わずかななか、フロアからも、5人の発言がありました。

中学時代にこの学習に出会えてよかった。娘に自分の生き様を見せていきたい…。

部落であることは、周囲の人に影響が出るから簡単に言えない。部落を言うからなくならないと言うが、言えなくしているのは教師では…。

日曜日に観た、朝鮮学校廃校のテレビ番組。ミサイル発射で小学生が下校に気をつけなければならない今の日本社会のおかしさ…。

当時を思い出し、今日思いを同じくし、あらためて心に誓うことができた。これからも共に頑張り続けていく…。

最後にパネリストから一言ずつ思いを述べたあと、コーディネーターから「サライ」についての説明がありました。「サライ」に寄せられた思いをスライドショーで見ながら、会場全体での大合唱となり、フォーラムを終えました。

来年度、もっと多くの人が来れば、、、どうしましょう。でも、それはうれしい悲鳴。そんな世の中に近づけていきたいですね。

このフォーラムの記録は、また後日、こちらにアップしますので、今しばらくお待ちくださいね。