3期第9講「部落問題・狭山事件」

9月15日(日)、徳島市立応神総合センターにおいて、第9講「部落問題・狭山事件について」を開催しました。中高生12人と、大人5人、計17人での学習会となりました。ちなみに、今回3期生の新規メンバー3人が加わりました!

まずは今回の講師、本会アドバイザーである中山さんから狭山事件についての概要が説明されます。

1963年埼玉県狭山市で身代金目当ての女子高生誘拐事件が起きました。それが殺害され発見されます。後日、見込み捜査が行われ、アリバイのなかった石川一雄さんが別件逮捕のうえ、ウソの自白を強要させられ犯人に仕立て上げられます。石川さんは近隣の被差別部落出身でした。つまり、住民の部落差別意識を逆手に取った、悪質な差別捜査だったのです。

石川さんの生い立ちの資料が配られ、話は続きます。小学校にはほとんど行けてなかったこと。当時給食はなく、教科書にはお金がかかっていたこと。差別による貧しさのなかで、学校に行くことよりも働いて生活費を稼ぎ、生きることに精一杯だったこと。そんななかで文字を正確に書くことなどできるはずもありませんでした。

日本の司法制度の話にもなりました。「司法・立法・行政」という三権分立は、果たして本当に自立した存在として機能しているのか。三審制は理解できているのか。当時の石川さんはこれらのことを理解できていただろうか。

そして最後に、「一日も早く無罪にして、当たり前の権利が持てるようにしたい」と話されました。

約1時間半近い話のあと、自己紹介をし、一人一人が言葉を返していきます。

「こんなことがこれからも起こるかもしれないから伝えていきたい」

「悲劇を繰り返してはいけない。国民一人一人のことを思って仕事をしてほしい」

「学校でこんなことは習わなかった。先生にもちゃんと学んでほしい」

「判決は覚悟を持って出しているんですよね。判決には人の人生がかかっているということを本当にわかって出してほしい」

夏の企画についても話をしました。中学生集会、夏季一泊研修、鳴門人権フォーラム、香川三観地区人権集会。本当にどっぷり人権に浸った夏になった人もいたようです。

そのおかげでしょうか。何人もが、ハンセン病のこと、一泊研修のこと、人権についてのことを、夏休みの様々な課題として作成し、提出していたことが分かって、びっくりしました!

ちょっとずつでも、ここからこうやって人権文化が広がっていくのなら、こんなにうれしいことはありません。思わぬご褒美をもらったようで、本当に心の底から嬉しい気持ちになりました。

次回第10講は10月13日(日)四国朝鮮初中級学校交流フェスタへの参加です。それに向けての宿題として、短編小説「ユンチョル先生」を配布しました。しっかり読んでしっかり学び、しっかり焼肉してきましょう。

その前に特別編として、SAG徳島からバーベキューのお誘いをいただきました!10月6日(日)16:00から松茂町月見ヶ丘海浜公園です。参加希望の人は、松茂関係の人は森口へ、それ以外の人は吉成へ、今月中に申し出てください。

それをうけて、11月3日(日)第11講ではSAG徳島と一緒に、文化祭を開催します。ステージに上がる、上がらないを考えておいてください。

また、仕上がってきた文化祭のチラシを全員に配布しました。家族、友達、知り合い関係、いろんなところに手渡し、参加の呼びかけをしてください!それも立派な人権活動です!

時間がなくて話せなかったのですが、最後に私から話したかったこと。

ニュースも新聞もネットでも、新しい総裁選挙のことで話が持ちきりです。そのどれもが、自分をアピールしようと、羽振りのいいこと、威勢のいいことばかりです。

でも、拉致被害者横田めぐみさんのお母さんが記者会見で言いました。「どうして拉致被害者を取り戻すという言葉は出ないのですか」と。

福島原発のデブリ(溶け落ちた核燃料のゴミ)が3グラム取り出せたそうです。すべての作業は2051年までに終えるそうです。あと27年です。総重量は880トンです。本当にできるんですか?

ほかにも長崎の被爆者のこと、水俣病患者のこと、旧優生保護法で不妊手術を受けた障がい者のこと、関東大震災で虐殺された朝鮮人のこと。格好のいいことばかりではなく、本当に苦しい思いをしている国民一人一人を見つめられる総理大臣であってほしいと思います。それをちゃんと見つめられる私たちでありたいと思います。   おわり

【塾生感想】

 今回は1年ぶりに中山さんに狭山事件について教えていただきました。去年は狭山事件の証拠品についての話を深掘りして話してくださったのですが、今回は石川さんのご家族や幼少~少年時代の生活環境について詳しく知ることができました。きっと当時は私が考えもできないほどの貧しさで、ちゃんとしたご飯もあまり食べられなかったのではないのかと思います。そうして家族を支えるために日々一生懸命働いていたときにかけられた冤罪は、どれほど石川さんの枷になったのか、私には想像できません。しかし、狭山事件が石川さんの人生を大きく狂わせたのは事実でしょう。果たして石川さんを犯人に仕立て上げた警察や裁判所に、人を狂わせるだけの覚悟があったのかは分かりませんが…。日本の国家機関にもおかしなところはまだまだいっぱいあるのかもしれないと思いました。中山さんの「上に従わなければ自分がつらい思いをする」という言葉を聞いて、まだまだおかしなことをおかしいと言える世界とは程遠いのかと思いました。だからこそ、今のうちから、おかしなことをおかしいと思い、それを実行する力を身につけていかなければならないのだと思います。 (中学3年OA)

 狭山事件について知ったのは、去年のこのこども塾で、そのときに味わった衝撃が今回、再びよみがえってきました。去年は狭山事件について何も知らなかったので、頭に入ってくる内容がすべて初めてだし、あり得ないようなものだったので、正直ついていけていない気がしていました。でも今回は2回目だったので、全体よりもより知ることができました。やはりあってはならない事件だなと思います。話を聞いていると、つい最近社会の公民の授業で習った自由権のなかの「身体の自由」を思い出しました。よく覚えていないけれど、確か石川さんが冤罪で逮捕された後に定められた権利だった気がします。このことが石川一雄さんに重なるなと思っていました。誰がどう見ても石川さんが無罪だと分かるのに、石川さんをあんなに苦しめたのは本当に許せないです。この事件は全く同じ内容だったとしても、何度でも聞くことができる気がします。もっと狭山事件について知りたいと思ったし、周りには知らない人がたくさんいると思うので、狭山事件の悲惨さを知ってもらいたいと思いました。石川さんは警察に脅迫などをされていて、大切な数十年を失われてしまったのに、めげずに無実を訴え続ける姿は格好よく尊敬できます。二度とこのような事件が起こらないようにするためにも、やっぱりたくさんの人たちに知ってもらうことが大切だと思いました。 (中学3年KY)