4期第8講「夏季一泊研修・香川豊島」1日目 7月26日

夢のようでした。

本当に夢のような時間でした。

手嶌葵の「The Rose」を聴きながら、夢のような2日間を想っています。

7月26日朝、教育会館前にわらわらと塾生が集まってきます。夏休みのお泊り。このフレーズがどれだけ胸をくすぐるか。中学生3名、高校生9名、引率の大人6名、総勢18名での出発でした。

港に着いて荷物を下ろし、このためだけにチャーターした海上タクシーに乗り込みます。定期便ではありません。船に乗るなんてことも、中高生には特別な体験でしょう。

島まで約40分。途中、ハンセン病療養所の大島、女木島、男木島、直島を眺めながら進みます。青い空、どこまでも碧い海。日常にない世界。

豊島に着き、荷を下ろし、お借りした車2台に詰め込み、いざ「自然の家」へ!ここは元保育所で、廃所になった施設を再利用した建物です。ですから、ちょっとレトロ感が漂います。昼食のお弁当を食べて、産廃現場へ。その道のりは、さながら前日オープンしたジャングリア。

そして、産廃現場で、豊島のこころ資料館で、お話を聞きます。語りは、石井さんに代わって森島さん。

めちゃくちゃに廃棄されていた現場に立ち、当時に思いを馳せます。

風評被害、差別、知事が言い放った「住民の心は灰色だ」。兵庫県警の出動。中坊公平弁護士への依頼。県庁前での立ちんぼう。島の若者による県内238㎞メッセージウォーク。東京銀座で訴えたゴミパレード。小豆島ローラー作戦。県内100か所座談会。不可能と言われた県議会議員選挙。豊島全島民の5倍を超える得票による県議当選。公害調停成立調印式。

どれ一つとっても、とんでもない出来事であり行動です。とてつもない闘いです。専門家である「誰か」がやったのではありません。普通にのんびりと島で暮らしていたおじいちゃんやおばあちゃんたち島民です。いったい島の人たちが何をしたというのでしょうか。

たい積したゴミをはぎ取ったレプリカに絶句。。。

しかしそんなゴミの廃棄は私たちとは縁遠いことではなく、ごくごく身近な、私たちに直接関係のあることです。つまり豊島事件も、「私たちが作った事件」だということです。その責任において、私たちは大人も子どももきちんと知り、学び、他人事ではなく自分事として、今一度自分たちの生活を見つめ直す必要があります。島の方々の思いをしっかりと受けとめて。。。

いただいた資料3冊にあらためて目を通します。以前にもいただいて読みましたが、とりわけ「豊かさを問う」はご覧いただきたい。文字を読むのが苦手な子どもたちにも、せめて読んでもらいたいのは、小さな枠囲みの読みやすい短文と、文の最後に書いた人物が記されているご本人が書かれた生身の文。そして、最後の二ページにある「豊島宣言」と「おわりに」。

この事件が要因となり、国の産業廃棄物処理法は改正され、リサイクル法が制定されました。産業廃棄物は再資源化が進み、ゴミは大幅に減少しました。いま、よく目にする「リデュース・リユース・リサイクル」といった循環型社会へと転換するきっかけにもなりました。現代日本のSDGsの原点がここにあります。

私たちは海や陸にあるものを原料として、そこにあるエネルギーを活用し、モノを作ります。作り方は時代とともに変わりますが、働き手が必要であることは間違いありません。しかしその労働によって、貧困、ジェンダー不平等、飢餓が起きてはいけません。そこに暮らす人々に健康や福祉、安全な水やトイレが提供される街づくりが求められます。またすべての人に平和と公正さが求められます。しかしこれらの経済活動から二酸化炭素は排出され、地球温暖化の原因ともなります。そしてそれはまた、海や陸に影響を与えるのです。このサイクルのすべてを変えていく必要があります。どこをどう変えていくのか。教育で、パートナーシップで、皆が学び行動していかねばなりません。

私たちはモノを作り、売り、手に入れることで経済を回しています。これが「大量生産、大量消費、大量廃棄」となれば、どうしても問題が出てきます。ですから、手に入れた者が、売った者が、作った者が責任を持つことはもちろん、本当に必要なモノかどうかを、真剣に考える必要があります。特に「安いから、加工しやすいから」と、自然に還らない素材に安易に頼らないことです。生産は最小限にし、使えなくなってもリサイクルしたり、自然循環する自然素材の原料に変えていくことです。

そして、いよいよBBQ!お肉がまた美味い!肉元さん、ありがとうございます!

そのまま続いて、花火! 気がつくと、空には満天の星々。。。

ひと段落ついて、いよいよ恒例の夜の研修。それぞれがそれぞれの思いを語り始めます。それは、自分と向き合う時間。他者のそんな姿にふれて、今度は自分が自分と向き合い語ります。その伝播が、人と人のつながり、私たちのつながりを確かに、豊かにしてくれます。大切な営みです。今年もまた、そんな時間になりました。

人権こども塾では差別問題を扱うことが多いですが、人を粗末にする社会は、モノも粗末にします。それは巡り巡ってしっぺ返しとして還ってきます。モノも人も、そうならないような好循環型社会に変えていくことです。

さて、人権こども塾のみなさん。これまで学んできた部落問題やハンセン病問題、在日問題などの差別問題、それに原爆などの戦争と環境問題の、どこがどんなふうに結びついてるのか、関連してるのか、自分なりの解釈で考えてみてください。