人権こども塾vol12「応神町総合センター」見学

10月16日(日)、予定していた会場の「あいぽーと徳島」を「徳島市応神町総合センター」に移し、あいぽーと職員の中山さんからお話を伺いました。

今回は高校が中間テストということもあって、中学生4人での開催となりました。

まずは、「徳島県立人権教育啓発推進センター あいぽーと徳島」についての簡単な説明。

そのあと、「人権」ということについて、「日常生活に普通にある、当たり前のこと」として、肌の色や髪質を例にお話しいただきました。そして話は、この日のメインテーマ、「部落差別」へと進みます。

2016年に部落差別解消推進法ができたものの、まだ十分な広がりをみせていないということ。同法を施行するに至った経緯として、SNSによる部落差別の拡散が大きな問題として起こったこと。勝手な決めつけで起こってしまう「みなし差別」など、あらゆる形で今も部落差別が残っているということ。

なかでも「狭山事件」についてお話をしていただきました。狭山事件は、1963年に埼玉県狭山市で起きた高校生誘拐強盗殺人事件です。容疑者となった被差別部落出身の石川一雄さんは、無実を訴えつつも、一審で死刑、二審で無期懲役となり、1994年に仮出獄できたものの、現在も第三次再審請求をしているところで、いまだ無罪を獲得できずにいます。そんな内容の動画を見て(画像1枚め)、その後、日本の司法制度の問題点について考えていきました。これらについて、

「世の中にはおかしいことがいっぱいあると思った」

「検察側が有利になっている制度はおかしい」

「裁判は人生を大きく左右させるものであって、不快にさせるようなことは許されない」

「被差別部落にしぼった捜査や人権無視の取り調べは許せない」

といった意見や感想がありました。

最後に中山さんから、「勉強をすること、正しいかどうかを考える眼をもって」、そして、「差別をする、される、ではなく、なくす側になってほしい」とのお話がありました。含蓄のある言葉でした。

これからも「狭山事件」ではなく、「狭山差別事件」として注目していきたいと思います。石川一雄さんも80歳を越えて高齢です。何としても一刻も早く、第三次再審を勝ち取りたいと思います。

今回、初のツアー開催となりましたが、新鮮で良かったのではないでしょうか。次回第2回もツアー開催で、徳島市国府町にある、「人形のムラ」です。行けばきっと圧倒されますよ。人形と語り手のお話に。

楽しみに参加してくださいね。以上、vol12の報告でした。