人権こども塾vol8「原爆朗読劇」報告

「第2回原爆朗読劇 夏の雲は忘れない ヒロシマ・ナガサキ1945」

 8月6日の原爆の日、その翌日に徳島県立文学書道館のギャラリーで開催された「第2回原爆朗読劇 夏の雲は忘れない ヒロシマ・ナガサキ1945」に、人権こども塾のメンバーが参加できたことは、貴重な夏休みの一コマとなりました。
 「夏の雲」を読む会、10人の皆さんの朗読が、臨場感のあるピアノ演奏にあわせて映し出される原爆の悲劇を伝えるスライドに、会場に集まった100人の皆さんの眼差しを釘付けにしていきました。


 会場の雰囲気は、先日の「人権を語り合う中学生交流集会+」で、参加者の発言に参加者一人一人が集中し、熱い眼差しを送る姿と重なりました。そのことは、参加していた人権こども塾のメンバーの感想からも伝わってきます。
 終了後に、原爆朗読劇の取材に来ていた城東高校放送部の高校生からのインタビューに応える中学生メンバー3人の語りにも胸を熱くしました。


 本気で演じる人々の姿を、本気で学んだ一人一人が、本気で思いを綴り、本気で思いを語る。ここにも、「人権学習の醍醐味は語る」にあることを実感することができました。

 8月7日が、「生きる」ことの意味を考える、仲間との大切な一日となりました。
 原爆朗読劇の中で、鋭く心に迫った「焼き場に立つ少年」の写真です。

《参加メンバーの感想》
・臨場感があり、原爆の悲惨さや怒り、苦しみ、悲しみがよく伝わってきました。写真も出てきて、自分が知らなかったことや、人が消えていくのを見ているときの感情がよく伝わってきました。
・場面に応じて、光の色を変えているところがよかったです。
・リアリティーのある朗読劇で、話を聞いている感覚ではなく、体験として取り組むことができるよいものでした。
・初めて朗読会に参加したのですが、学校の授業とは違った感覚で聴くことができました。


・朗読会と聞いて、誰かが書いた作文を読むんだろうくらいの前知識で行ったら、良い意味でひっくり返されました。ピアノと読み手さんが読む、ヒロシマとナガサキのリアルな被爆体験を綴ったものが延々と出てくる感じで、多少調べてから行った状態でも、知らない話が多かったです。また、ピアノやプロジェクターの使い方が凄く上手くて、話を聞くって感じより、体験しているに近い感覚でした。凄く身に染みるいい体験だったと思います!!

・様々な写真や資料と読み手の方のリアルな演技で、その現場を本当に見ているようでした。いろいろな年代の方のさまざまな視点から、その時あったことや感情が表現されていてすごいと思いました。テレビや本で知ることの出来ないようなことが知れてとても勉強になりました。


・未だにロシアによるウクライナ侵攻は終わらず、私は核兵器がこの戦争で使われるのではないかと不安に感じる一方で、平和な日本で暮らしていると、最初は心を痛めていた戦争も今は段々と遠い世界のように感じてしまっていました。でも、原爆朗読劇で一つ一つの被爆した人たちの手記の朗読を聞き、戦争は絶対にしてはいけない、平和は本当に尊いものなんだと思いました。
「板と板の中にはさまっている弟、うなっている弟は、僕に『水、水』と言った。僕はくずれている家の中に、はいるのは嫌と言った。弟はだまってそのまま死んでいった。あのとき僕は水をくんでやればよかった。」
 男の子の言葉一つ一つが私の心に刺さっていきました。そして一瞬にして家族を失った男の子の悲しみ、嘆き、心の痛みを考えると胸が張り裂けそうになりました。原爆はなんて悲惨でむごいんだろう。当たり前の日常を一瞬にして地獄の世界にしてしまう。これが現実にあったことを私たちは決して忘れてはいけないと思いました。
 歴史から私は戦争はどうしていけないのか、どうして起こってしまったのか考えていかないといけないと思っています。でもその前に、戦争の恐ろしさ、悲惨さを自分自身で感じること、そのことから戦争をしてはいけない、核兵器を使ってはいけないと自分自身が思うことがとても大切なのではないかと、今日の朗読劇を通じて思いました。また次回も参加したいです。