八万中学校1年生第2回学年全体人権学習(10月4日)報告

10月4日、慌ただしかった9月を終え、2学期最初の学年全体人権学習を行いました。

今回のテーマは「SDGs(持続可能な開発目標)」。昨今流行りのテーマです。でも、それを人権に視点を置いて取り組んでみました。

各クラスではまず、「SDGsとは何か?」について始めたのですが、思いのほか子どもたちはよく知っていました。小学校ですでに学習してたのです。

小学校の学びに、成長に合わせた何をプラスしていくか。それがないと、同じことの繰り返しとなり、学ぶ意味がなくなってしまいます。はてさて、どうなったのでしょうか…。

1.それぞれのクラスでしてきた学習について思ったこと,気づいたこと,考えたことについて語り合いましょう。

「命とは大切なもので、平等でなければならないものである。またジェンダーだからといって自分たちと違っていても、バカにしたり仲間はずれにしてはいけない。そして世界には男女平等でない国がある。日本もそうです。国会議員は男性の方が多いので、そこからなくしていったらいいなと思いました。」

「私はインターネットにまつわる学習をした時に、私たちは普段スマホを使っていて、よくインターネットを利用しているけど、世界にはネットを利用できない人もいることを知りました。インターネットは便利だけど、その便利なインターネットも使えなかったら意味がないものなので、全世界でインターネットが使えるようにするために、どんな活動をするかを調べました。でもインターネットを使えない人がいるからといって、インターネットだったら見てない人もいるし大丈夫かなと思って個人情報を載せたり他人を不快にさせるような発言を載せるのはダメだと思うので私はそこを気をつけようと思いました。」

「学んだことは、SDGsを良くするために身近にも気づいていない環境への取り組みがたくさんあったことが分かりました。例えば環境に優しい魚のマークが2種類あったり、食べきれない食材を集める場所、スーパーに持って行って地域の人と共有できる場所、そんな場所があることを知りました。でも僕はそんな場所を知らなかったので、しっかり活用しないともったいないし、しっかり活用していくことがSDGsをなくすための一つの方法だと分かりました。」

「初めにSDGsのことを学ぶ前は、海とか陸の気候変動とかの自然のことしか知らなかったんですけど、学び初めてジェンダーとか国の身分の差とかをなくしたりしようという活動があることを知って、いろんなことがSDGsの目標になってるって知って、自分もその目標を解決していくことが、一人一人が考えていくことが大事なんじゃないかなと思いました。」

小学校で学んでいても、すべてのことについて学んでいるわけではないということが分かりました。ということは、17の目標がうまくつながってなかったということです。まだまだ学ぶ余地がありそうです。

2.SDGsに反するような行動は,世界で,日本で,みなさんの身のまわりで,何を引き起こしているでしょうか。また引き起こしてきたでしょうか。あなたはどうでしょうか。

「世界や日本では海洋ゴミの、海洋プラスチックのポイ捨てなどが起こっているけど、日本だけで言えば、さっき言ったように国会議員が男性が多いという10番の平等が守られてないなって思います。僕は電気をつけっぱなしにしていて、電気が使えないところがあるのに、ムダに使っていたので、ムダに使っていいと思わず、これからも気をつけていけたらなと思いました。」

「飢餓の問題では、私は最近は給食を完食できるように頑張っているけど、前までは食べ物がなくて苦しんでいる人がいることを知っていたにもかかわらず、嫌いだからという理由で給食を残していました。でも今考えると、たくさんの人が飢餓の状態になっている瞬間に、私が食べ物を残すというのは、ダメなことだったなと思います。私のクラスでは最近給食を完食できることが多いので、引き続きこれからもそれを続けていけたらなと思います。」

「最近のニュースでよく異状気象とかいってゲリラ豪雨とかいろんな災害が起こってたりするんですけど、そういうことはSDGsに反することで、起こってるんじゃないかなと思います。異状気象っていうのは、続いていないから異状なのであって、これがずっと続いていって、これから100年とかずっと同じことが起こっていたら異状じゃなくなると思うんで、これが異状であるうちに止められるように、プラスチックのこととか、食品ロスのことだったりっていうのを止めていかなければと思います。3組はたぶん2組に比べて残す量が多いと思うので、一人ずつがちょっとずつでも食べれたらいいなって思ってます。」

「私は小学校のときからずっと周りで暴言をいっぱい言う人たちがいて。私は意識して、そういうのを言ってしまったら謝ったり自分で工夫して直そうとしたけど、他の誰かに嫌なことを言っている人は、考えている人もいるかもしれないけど、よく考えていない人が多いと思うので、誰かの良くなった行動が誰かの人権を否定しているのかもしれないと思いました。」

「SDGsに反する行動は身のまわりにたくさんあると思います。例えばポイ捨て一つで森林が破壊されてしまって生態系が破壊されてしまう。それは自分たち以外の生き物に迷惑をかけていておかしなことだと思います。他にもシャワーの出しっぱなしで水不足になり、安全な水がなくて困ってる人もいます。他にも料理の作りすぎで食品ロスが増えてしまったり、給食の食べ残しで食品ロスがまた増えてしまう。自分たちに何の被害もないから何も関係ないと思っていって小さいことと思うけど、小さいことが積み重なって大きな問題になっていくので、こんな小さいこともちゃんと気にして解決していくことが大切だと思います。」

一人でいっぱいはなかなか食べられない。食べられる子もいるけど、一人でいっぱいは難しい。一人が一人が少しずつ頑張れば、食品ロスも減らせられるかもしれない。

暴言やいじめもSDGsに結びついている。そんなことでは17番の「パートナーシップ」は達成できていかない。関係ないことではなくて結びついている。

「新聞切り抜き作品コンクール」に取り組んでもらったが、「平和」は16番の目標になる。戦争が起きれば人は取り残されていく。誰一人取り残さない、とはならない。

こんな話にあわせて、「衛生的でない水を使うことで、乳幼児の赤ちゃんが毎日800人亡くなっている。また飢餓で、子どもが毎日7000人亡くなっている。」こんな話をしました。私も知った時は驚きましたが、私からこの話を聞いた子どもたちも驚いていました。そんな感想を人権だよりにも載せています。

3.そのことによって取り残されてきた人(対象)は,どんな思いでしょうか。想像したことを語り合いましょう。

「僕たちみたいに一緒に学校に行ったり、美味しいものを食べたり、いろいろな物を買ったりして平和に暮らしたいなと思ったりして。人以外の動物、ライオンとか虎とかは、なぜ人たちはゴミを海に捨てたり、地球温暖化につながる物を燃やしたりを続けているんだろうと思っていると思います。」

「飢餓で困っている人はお腹がすきすぎて何もできないような状態になっているのではないかと思いました。私は食べることが好きなので、もし食べられる物が何もないとなったら、どうなるのか想像もつきません。今こんなに食べることができているのは当たり前ではないなとあらためて気がつきました。」

「このことによって変わると思いますが、このことがもし戦争だったら、いまだったらウクライナとか。この国に生まれたくなかったとか、生まれてこんで良かったって思うかもしれない。自分だったらそう思いました。この国に生まれてなかったら、もしこの世に生を受けてなかったら、苦しいことやつらいことがなかったのにって思ってしまうかもしれません。でもそう思うってことは、自分を頭から否定するってことなので、それが一番、どれだけ人に何か言われてても、自分が自分のことを信じとかないろいろダメになると思うので。自分を信じられなくする。いろいろあるんですよ、戦争だけじゃなくて。人と違うことが当たり前なのに、人と違うことでバカにされたりすると自分のことが信じられなくなるので、自分のことが信じれる。もちろん周りの人が信じてあげることも大事だけど、自分が自分を信じれるっていう環境が大事だと思いました。」

「SDGsの11項目目に住み続けられる町づくりをっていうのがあって、立場の弱いお年寄りや障がい者の人にとって、住みにくい町だったら、それで取り残されてしまった人々は、自分の生活がより一層不安になって不安な毎日を送ると思いました。」

「さっき誰かが言ってたように、取り残されてきた人もそうだけど、動物とか海の生物だったら亀の鼻にストローが刺さってる写真とかクラゲが好物の魚とかは、ビニール袋を間違えて飲んでたりしている写真を見たことがあるので、自分たちだけじゃなくて自分たちがしたことによってどんな影響が周りに出るのかとか、人間のこともちゃんと考えないかんけど、自分たちのしているポイ捨てとかによって他の動物たちも傷ついているんじゃないかなって思いました。」

「前に特攻隊員の人たちの物語を読んで、出撃命令が出て嬉しいって言ってた場面があったんですけど、戦争によって取り残された人は、私たちとは逆に死が近いので、怖いっていう感情がないのかもしれないと思いました。でも怖いっていう感情がない、KKさんも言ってたんですけど、自分がなくなるのが本当に一番怖いと思いました。」

「地球っていうのは、たぶん一つのシェアハウスなんですよ。いろんな鳥とか亀とかいっぱいで一つの家なんですよ。それで災害っていうのは、例えば水漏れとか壁が壊れたりとか、そういうことなんですけど。その水漏れになったりとか、食べ過ぎて食料がなくなったりとか、壁が壊れたりっていう地球の被害は、全部一人の人、人間が起こしてることやけん、シェアハウスに住んでるって考えたら、例えば人間で考えたら、自分一人だけで家の冷蔵庫の中身全部食べてしまったり、家の壁バンバン壊してたり、そういうことだと思うので、そうやって身近に例えて考えたら、もっと分かりやすくなるし、もっとやってることが身近に分かりやすくなるのじゃないかなと思います。」

「戦争や貧困、食べ物がなくて安全な水もない、そんな人たちは、僕たちは家に帰ったら親がいて、お風呂に入れて、晩ご飯が食べれる。けど当たり前の生活が戦争や貧困の人たちにはないと考えたら、自分たちも、自分も苦しいと思います。また独りだけ取り残されているので、孤独を感じて、悪いのは自分なのかと考えてしまうのじゃないかと思います。自分を責めてしまって、自分を責めることないのに責めてしまって、すごく苦しい毎日を送っているので、悲しいなと思います。」

「もし私が、ジェンダーで不平等だったり、ヤングケアラーだったり、戦争が起こった国だったりで取り残された人だったら、自分でSOSを出したりすることができないと思うし、そういうことができない状況であるかもしれないと思いました。最悪自分の意思で助けを求めたいと思っても、それ以上潰されてしまうこともあって、つらい気持ちになることがあるのかなと考えました。そんな人を一人でも減らすために、個人の意識や行動を変えること、そして周りに広めること、伝えることが大切なのかなと思いました。」

「取り残された人はどんな気持ちなのかで考えました。私が小学校の頃に見たビデオでは、どこかの森林の木を切っている親子の話を見たんですけど。そのときにお父さんとお母さんが木を切りに行ってて、その木を発注した人が注文した木の数が多すぎて山が崩れて、その作業をしてたお父さんとお母さんが亡くなったという話を見ました。取り残された子ども、娘さんの話を撮影していたものがあったのですが、その話を見たら、何回もその子は親を返してほしいってずっと叫んでいたのを思い出しました。これは他のことにも言えることで、飢餓で苦しんでたりする人は、さっき先生が言ってくれたように子どもとかが亡くなっていたり、たぶんその親の人もその子が産まれるのを楽しみにしていて愛していたと思うので、一人が取り残されたらまた誰かが取り残されてしまうんじゃないかなって思いました。」

自分が自分でなくなってしまうことの怖さ。自分が自分を認められなくなることの怖さ。子どもたちはいろんな想像力を働かせ、自分の身に置き換えて、つながり合いながら語り合いました。

4.みなさんは何のために日頃の勉強に取り組みますか。それとSDGsはつながりますか。みなさんは2030年に,どんな未来を思い描きますか。語り合いましょう。

「私は人がする仕事すべてにSDGsが関わっていると思っています。職業によってはSDGs達成のために配慮する側にもなりえると思うので学んだことを、将来自分のすることに生かして、よりよい社会を作るために私たちは勉強していると思いました。そしてSDGsが達成できるかどうかは、それを学んでこれからの社会を作っていく自分たちにかかってくると思いました。」

「2030年は二つの未来があると思います。まず一つめはバッドエンドですけど、ウクライナ戦争がきっかけで世界大戦につながって核戦争にもなって、人類が滅ぶエンディングと、二つめはいろいろなSDGsも解決されていて、より豊かな世界になっている二つの未来です。他にもいろいろ未来がありますが、一番可能性が高い二つをあげてみました。終わります。」

「私は将来のために日ごろ勉強に取り組んでいます。個人的にはそれとSDGsがつながっていると思いました。なぜならSDGsは将来地球温暖化が急速に悪化しないようにこれ以上貧困や飢餓などでの死者を増やさないためなどのゴールがあるからです。2030年に描いた未来は、2030年にどんなふうになるかは私たちが何をするかによって変わると思うので、SDGsの取り組みをしっかりと学んで私たちにできることをしていこうと思いました。」

「自分たちのためや世界のために、日ごろの勉強に取り組んでいきたいし、それもSDGsにつながると思いました。2030年にはSDGsが達成できても、気を抜いてはいけないと思いました。」

「僕は勉強のできない人の分を背負って勉強をしているのと、将来いい職業に入るために勉強しています。この日ごろの勉強は、SDGsにつながると思います。なぜなら、質の高い教育をみんなにという目標があるので、僕はつながると思いました。未来には悲しい思いをする人がいなくなり、みんな平等になっていると思います。なぜなら、みんなが工夫したらできることを、SDGsは並べていると思っているから、そのようになると思いました。」

「私は普段している週に5日ある授業の中でたぶん全部SDGsに関わりがあると思うけど、道徳と総合の授業は特に関わりがあると思いました。なぜかというと道徳の授業は人の心とかを言ってるものが多くあるからです。私は道徳の授業で人としての心、他人を感じる心を学ぼうと思いました。」

「SDGsでさっきみんなが工夫してやればできると言いましたが、大人にしかできないことは、まあいろいろあると思います。子どもだけで小さなことするってこともSDGsにつながると思います。例えば食品ロスをなくすために、みんなで給食を完食するとか。クラスで小さないじめなどをなくすとか。そんな小さなことでもSDGsを増やしていくことでSDGsで目標を破ることができると思います。」

「まず勉強が何でつながるかって聞いて、一番に思い浮かべるのは、社会人になってからの就職先の選択を広げるためだって私はすぐに思います。その就職する先とかにもよって変わってくるけど、例えば普通のサラリーマンとかだったら、通勤の時とかによって変わってくるし、物を作る会社だったら、SDGsにプラスチックを使うのを減らすとか、そういうことにつながるだろうし。自分のやりたいことをやりつつ、社会に貢献できるようにするために勉強をしているのだと私は思います。」

「正しく知って、正しく行動する」元ハンセン病患者キム・テグさんの言葉ですが、それに加えて、若いみなさんの想像力や柔軟で豊かな「感性」。「仲間」を巻き込んでいくコミュニケーション力の大切さと必要性をお話ししました。

最後に、「自分はどんな自分になっていくのか、どんな自分であり続けるのか」。また「コロナが収束しコロナ前に戻っていいのか」と問題提起して、次回の全体学習があることを約束して、今回の学習を終えました。

回を追うごとに、発表回数も、発言者も増え、どこか発表することを楽しみにしているように感じました。やはりみんな、「自分を表現したい」と思ってるように思います。こんな時間を積み重ね、3年かければどんな子どもたちに成長できるのか、見てみたいなと本当に思います。みなさん、よくがんばりました!

2022年10月04日