追悼の狭山事件現地調査 5/10~11
昨年に続き、5月10日(土)に埼玉県狭山市に狭山差別事件現地調査に行ってきました。
何とも言えない、本当に気持ちの沈む、追悼の現地調査となりました。
気持ちと同じ、どんよりした曇り空のなか、事務所でさっちゃん(石川早智子さん)が出迎えてくれるのですが、口を開いて何か言おうとするたびに、言葉が詰まります。
一雄さんが亡くなって2か月。まだまだ整理がつかない気持ちが伝わってきます。
それもそうです。30年連れ添って、とてつもなく大きな目標に向かって歩んできたパートナーがいなくなったのですから。
事務所内に設けられた祭壇に、それぞれが手を合わせます。
さっちゃんが、翌日が月命日になるからと桜井さんが贈ってきてくださった、と献花について話してくださいます。
忘れてないから、支援するから、との思いが滲み出ます。
研修会の冒頭、先月開かれた追悼集会で上映された、キム監督によるショートムービーが上映。
何とも言えない思いがあらためてこみ上げてきます。
無罪を勝ち取るため、何としても長生きすると続けていた早朝ジョギングの場面から始まりますが、なのにどうして、どうして検察は、裁判所は、との思いに駆られます。
無実を叫び続けて62年。そんな人生であっていいのでしょうか。
来る日も来る日も、毎年毎年裁判所前で立ち続け、訴え続けた日々は何だったのでしょうか。
徳島の人間には見慣れた、懐かしい風景も出てきます。さっちゃんと紡いだ、穏やかな風景です。
「石川一雄さんが叶えることができなかった 夢を 無念を 忘れない」
同じ思いで、ムービーは終わりました。
5月30日(金)18:00から「ふれあい健康館」(徳島市)で開かれる石川一雄さん追悼集会でも上映されるようです。どうぞみなさんもご覧ください。
さっちゃんからのあいさつ。でも、口を開けば涙。。。
これまで10人の裁判官、63回にもおよぶ三者協議。そして62年の闘い。
ただただ、凄いと言おうか、凄まじいとしか言いようがありません。本当に誇りある生き方です。
これまで掛け合い漫才のようだった二人のあいさつが、さっちゃんだけの寂しい語りとなりました。
安田さんからのお話。
今も生きる、278点に及ぶ新証拠。そして第4次再審請求に向けての証人尋問と再審開始の請求。
再審に向けた取り組みとして、50万人を目標とした新たな署名活動も行うようです!
ぜひとも達成したい!皆さんにも、多くの方々にもご協力をお願いしたい!
日本の司法制度、再審制度を改め、変えるためにも!
主のいなくなった一雄さんの椅子。
すぐ横に置かれた祭壇。その祭壇にひときわ清々しく置かれた額。
素敵だなぁ、誰が書いたんだろう…とつぶやくと、
隣で安田さんが、葬儀屋さんなんです、と。
えっ?!
葬儀屋さんが、一晩で作ってくれたんです、と。
思いがないとできないことのように思えます。素敵な仕事です。
そんな素敵な人権感覚をもった人間を、いろんなところに増やしていきたいと思いました。
まだ、夢は終わりません。
現地調査のスライド画像
去年(2024年)、一雄さんと。最後の写真となってしまいました。
