2期vol13「親と子で人権を考えるつどい」

11月18日(土)人権こども塾は、アスティとくしまで開かれた、徳島市・名東郡PTA連合会主催の「みんなで語ろう!みんなで知ろう! Human rights ~親と子で人権を考えるつどい~」に参加しました。

当研究所の共同代表二人が講師を務めることが、今回の参加となりました。

今回は、テスト前や修学旅行前、またインフルエンザを警戒して、9名の参加となりました。

以前は講師先生からのお話を聴いて終わりだったこともあったそうです。つまり、「聴いて、終わり」。聴くことが悪いことではありませんが、「それだけでいいの??」という想いがあったそうです。

それぞれに想いはある。だけど、聴いてもらえる場がない。機会がない。

そこに長年、「語り合う人権学習」に取り組んできた私たちに声がかかったわけです。

まず初めに、吉成・森口の両名からお話をさせていただきます。

今年の中学生集会実行委員会で、人権こども塾生が行った呼びかけの記録。そこで語られていく「家族のカタチ」。本大会で行われた人権意見発表に応える、認知症や聴覚障がい、LGBTQ+の記録。また、前週に開かれた学年全体人権学習授業参観で語られた中学生の記録。

全日本道徳教育研究大会での「ナイン」の授業について。またそこから生まれた資料、「スダチの苗木」と「峠」に秘められた深いお話。川田ヒカルさんとユウヤさんの中学時代やその生き様について語る記録。本心をさらけ出す語り合いの授業で述べられていく中学生の記録。

約100分の話のあと、50人ほどの参会者が、次から次へと思いを噴き出していきます。

自分の夢について語る。ただそこに、人権の視点を欠くことはできないと語る高校生。

昔の自分は嫌いだったけど、今の自分は好き。語り合うことは貴重だと語る保護者。

部落出身としての生き様や今の生き方、一歩踏み出してきた経験を語る保護者。

差別意識の強い親と対峙しながら、パートナーや部落問題とどう向き合えばいいのかを考えてきた保護者。

またそれに中学生が応えていきます。

認知症のひいおばあちゃんのことを、「神様からの贈り物」と語る中学生。

人権委員として本気で人権学習のあり方について考え、授業参観に臨んだという中学生。

自殺防止の取り組みをしていると言う参加者に、感謝のエールを贈る中学生。

遠足の帰りのバスで、一緒にまわった支援学級生から感謝の言葉をもらったことが本当にうれしかったと語る中学生。

本当に多くの方が、絶え間なく言葉を、心をつないでいきました。こんな人権研修を待っていたんだという想いが伝わってきました。

最後に、この会の開催にねばり強く取り組んでこられた保護者が、その生い立ちや生き様、この会への想いを切々と語られました。時間は過ぎていました。でもそれは、まったく苦になりませんでした。本当にあっという間の3時間でした。

会のあと、うちの学校でもできないか、どうやったらできるのか、来年もしてくれるのか、と言ってくださる方もおいでました。

今回のチャレンジが、参加した保護者を通じて様々な学校に広がっていくといいなと思います。それが、まだ見ぬ多くの小中学生の、自分を認められる力や、友達を認められる力、伝えることの大切さや、人とつながることの大切さとなって、みんながより良い人生が送られることにつながればと願います。

そのなかで、中学生集会や人権こども塾に参加する子が出てくれば、なおうれしいですね。

このチャレンジは、まだ始まったばかりにすぎません。これからどう発展していくのか、私もワクワクしています。

人権こども塾の次回は12月9日(土)、徳島県総合福祉センターで人権クリスマス会を開催します。立て続けに開かれた秋の3大イベントを通じて、自分自身をじっくりと振り返ってみようと思います。