2023年度第3回実行委員会・人権こども塾vol5開催!

2023年度キャッチフレーズ

「1つの言葉で変わる 1つの行動で変わる ~前に進むその一歩が 私たちの未来だ!~」

まずは、参加した皆さんに訂正を一つ。

私、SDGs4「質の高い教育をみんなに」について話をさせてもらいました。日本のほぼほぼすべての子どもは教育を受けられているし、男女差もほぼほぼないと。「ほぼほぼ」ということは、そうでない事実もあるということですが。

にしても、ほぼほぼ問題がないように受け止められがちですが、その教育の中身については大きな問題がある、と話しました。

と同時に、大きな問題を言い落してました。

先日発表された世界ジェンダーギャップ指数で、日本は昨年よりさらに順位を下げ、146か国中125位になったそうです。詳しく見ていくと、判断基準となる4つの分野のうち、教育と健康についてはほぼ中位だったのに比べ、経済が123位、政治が138位と、極端に低いのです。これは何を意味するかというと、学生の間はほぼほぼ男女差がないのに、社会に出るとそれが極端に出てくる、ということです。それを是正していく教育が、「質の高い教育」であるはずですから、今の受験に特化したような日本の教育の中身そのものは、考え直される必要があるということになります。この点については、学力・経済優先社会からの価値観の転換、「金から人権へ」と話した、価値観の多様性の内容と通じるかと思います。「質の高い教育をみんなに」の、「質の高い教育」とは。もっと深く考えねばなりません。

さて、2023年6月24日、鳴門市人権福祉センターで、人権を語り合う中学生交流集会+'23第3回実行委員会が開催されました。

参加者中高生は42人、大人は8人、参加校は9校でした。

冒頭で、先に述べたような話をさせてもらったので、自己紹介が終わったころには、すでに45分経過してしまいました。(T_T)

そして、ポスター原画の選定。

前回決定したキャッチフレーズ、「1つの言葉で変わる 1つの行動で変わる ~前に進むその一歩が 私たちの未来だ!~」に合ったポスター原画が、18点応募されました。

決選投票の末、松茂中学校3年生の作品が選ばれました!おめでとうございました!

作品は明るくはっきりした絵柄で、それはまさに、みんなの行動を促すようであり、明るい未来を指し示しているようでもあります。ポスターになって出来上がり次第、皆さんのもとに届けます。楽しみにしていてください!

続いて本大会の日程や役割分担について説明がありました。

詳しい資料に目を通して、自分にできることを見つけ、担当の先生に申し出ておくようにしてください。次回、第4回実行委員会で決定します。

そして、今回の人権意見発表。

松茂中学校と徳島科学技術高校から一人ずつ、2人から意見発表をしてもらいました。

一つは、障がいのある叔母とのかかわりについて。家族みんなで叔母を支え、また逆に支えられながら、共に生きていくことのよろこびと大切さを伝えてくれるものでした。

もう一つは、自分の生い立ちや家族の生き様を通して、ゲームで得た友達を支えに、4つの教訓「できないと思っている9割はできる、出会いを大切にする、楽しむ、自分を貫く」を学んだこと。

聞いた発表を通して6つのグループに分かれ、グループ活動が始まります。

前回も思いましたが、やはり今回は話し合いが活発です。

どこも停滞することがない。

そしてラスト30分。全体討議。

私は帰りの車のなか、頭が重く鈍く、どろっとしてしまいました。

不登校になってしまった友達に今も電話をし続ける。学校に来られなくなっても、友情を大切にしたい。聞いていて、「まず行うこと」この言葉が、すぐに思い浮かびました。誰かのために行うことは、決して偽りではない。それは巡り巡っていつか必ず、自分の為になる。自分の為にでははなく、とことん人の為に行うこと。

ヘアドネーションをしてみたいが、家族がどう言うか、周りはどう見るか。それでもチャレンジしてみたい。今までの成長を何事にもつなげていきたい。

HSP(Highly Sensitive Person)について。

その言葉を知らなかった私は、今まで出会ってきたこどもたちのことだと気づくまでに、しばらく時間がかかりました。

HSPで悩み込んだ子たちの発言は、本当に重く、どうしたらいいんだろう、と考え込むしかありませんでした。

自分が悪いのか、家族が悪いのか。

母の暴力・暴言、信じられない大人たち。

休みたいのに、休めない。

自傷行為。

どうして自分は生まれてきたのか。いつか脱する時がくるのか。自分もいつか誰かのために、無償の愛を提供できる人になれるのか。

これは歴とした「こどもの人権」問題です。

頭が重いのはどうしてだろうと考えたのですが、それはおそらく、「出口が見えない」からでないかと思い至りました。

それは部落差別をなくしていく過程でも同じような感覚になったことがあります。

「出口が見えない」と、どうすればいいんだろう、どうなっていくんだろう、と悩み込む場面を何度も見てきました。

もし、はっきりした出口があれば…

そう思ったとき気づいたのが、「こども家庭庁」です。

「こども家庭庁」は、そのためにできるはずです。

行政や法律がどうやって私たちを守ってくれるのか?

昔の私ならそう思ったはずです。

でも、法律という後ろ盾のある意味の重さを、私たちは学びました。

あとは、それがどのように運用されていくか、です。

それを決めるのは、あなたであり、私です。

法や政治に無関心にならないことです。そして、声を届けていくことです。

とはいえ、今差し迫って必要なことは、今横にいる、その「手」かもしれません。

気がつけば、30分は45分経ってました。

キャッチフレーズは、「1つの言葉で変わる 1つの行動で変わる ~前に進むその一歩が 私たちの未来だ!~」。

「人は変われる」このことを私たちは、本音を語り合う人権学習で実感し、体現してきました。

今一度、その一歩の持つ意味、その大きさ、その重みを、みんなで分かち合っていきたいと思います。

次回は7月22日(土)、実行委員会最終回です。どうぞ皆さんご参加ください。学校を通さない個人の参加も大歓迎です。

次回の ご案内・申込書PDF です。よろしくお願いします。