人権こども塾vol17「臓器移植」について

2月25日(土)、人権こども塾は、徳島県教育会館で第17講を開催しました。

今回のテーマは「臓器移植」について。

徳島県在住で、臓器移植に向けて県外の病院に入院している、高校1年生の娘さんに付き添うお母さんから、オンラインでお話を伺いました。

まずは娘さんの入院から現在に至るまでの3年間の経緯について。そして、入院生活の一日の流れについて。「1年に1~2回外出許可が出て、病院敷地内の庭に出ることができる」には、胸が痛みました。。。

院内学級についての説明では、小中生対象は徳島にもありますが、高校生対象は全国的にも珍しいとのことです。いろんな年間行事もあって、創意工夫されていることが伝わってきました。

また臓器提供件数はコロナ禍で落ち込んだものの、年間で100件前後で推移しているようで、3~4日に1件は全国のどこかで臓器移植が行われているということです。といっても、臓器移植は15000人を越える希望者がいて、全然たりていないのが現状だそうです。

補助人工心臓(VAD:バド)には「植込み型」と「体外設置型」があるそうですが、感染リスクや管理が大変で、「体外設置型」では2mくらいの範囲しか動けないそうです。

説明を受けて塾生が、自身が入院生活をしていたときのこと、高校受験で看護師をめざして頑張ること、兄の障がいのこと、などの思いを返していきました。それにまたお母さんが返してくれました。

「同じ思いを共有できる仲間がいることの大切さ、つながることの大切さを感じています。移植待ちをしている、同じ立場の小さい子どもへの想いが気持ちを強くしてくれています。明るい希望に向けて、前向きに頑張っています。」

私は途中からもうずっと涙目で、、、自分にできることを何かしたいんだけど、何もできないもどかしい思いをずっと抱えてました。だから最後に言いました。「退院したらカニを食べに行こう」

なおお母さんからは、「十人の患者さんがいれば、その状態も十通りであって、私の話がすべてではない」ということ、「臓器は提供する権利もあれば、したくない権利もちゃんとあって、移植を受けたいという権利もあれば、受けたくないという権利もちゃんとある。だからまず、自分と家族の大切な命に向き合い考えることを大切にしてください。」とのお話がありました。

なんかまだまだ自分、頑張れそうな気がする、こんなところでへこたれてられない、そんな気持ちになれました。お母さん、本日は本当にありがとうございました。

中3生を冷ややか(冷静)に見る中1生の図↑

翌月に控えた入試に向けて、面接で何を語るのか。今の自分と人権、また人権こども塾や中学生集会との関わりについて思いを述べてもらい、第17講を終えました。

次回はいよいよ1期(2022年度)生閉講式。閉講式では、私たちからみなさんへのはなむけの言葉、認定証の贈呈と寄せ書き、そしてみんなとの最後の語り合いができればと思っています。名残惜しいです。